SYU-KATSU SPICES就活に役立つ話題集

シゴトビトの言葉学

[第46講] 株式会社岩手ホテルアンドリゾート 岸田 健志のコトバ

毎月1回開催の「しごとトークカフェ」。そこで社会人のゲストが語る、働き方、暮らし方、生き方とは?岩手で働く社会人たちからのメッセージを「シゴトビトの言葉学」として紹介します。

46-title小さいころから負けず嫌いだった。小5から始めた野球は中学でも続けたが、勝ち負けでいうなら結果として負けが多かった。でも勝ち負けの前にそれまでにやった必死の努力はやっただけの成果となったと思う。高校では山岳部に所属し、20㌔の重りを背負ってトレーニングをした。
大学は岩手県を離れてみようと青森県の大学に。大学3年のころ「このままではだめ。自分を変えたい」と一念発起し、行動を起こした。それは人とのコミュニケ―ション。高校時代にも仲良しグループの輪の中に入りたいと思っても、恥ずかしさなどから遠くから眺めるだけだった。楽しそうにしている周囲の人を見るにつけ「自分も変わらないと」との思いを強くした。見た目も明るくしようと服装や髪型も変えた。セミナーの中心となっている学生グループに思い切って話しかけてみると、意外に自分と変わらないことが分かり、少し自信になった。そんなことを機会に人と話しをしたり、人と関わったりすることが苦手でなくなった。

ブライダル業界に

大学時代の就職活動は当初、東北全体を視野に業種を絞らずやっていた。金融、製造、住宅、マスコミなどを目指していた。そんな就活のなかで出会ったのがブライダル会社のウエディング担当者。「人に喜んでもらえるのが嬉しい」と目を輝かせて話す姿に魅了され、結婚式の仕事に目覚めた。「岩手に戻りたい」という気持ちも強くなり、ブライダルも扱う今の会社から採用通知を受け、就職を決める。
入社後、最初に配属されたのは安比高原のホテルの料飲サービス部門。フレンチレストランやバイキングでの飲食提供サービスをした。同部門の仕事は早朝出勤で朝食のサービスをし、日中数時間の休憩を取り、夕食の準備に。休憩時間にスノーボードを楽しむなど有意義な時間の使い方をする同僚もいた。サービス業の大変さも経験したが、接客をするなかで「おいしかった」「ありがとう」とお客さんからの声で何度も励まされ、やりがいを感じたという。

ウエディングは大切な行事

ホテルのフロントなどを経験し、希望だったウエディングプランナーに。カップルから依頼を受け、それぞれのオーダーメイドの式や披露宴をつくっていく。ウエディングはご夫妻やご両親、親戚の方々に感動を与えるイベントだが、スタッフにもいろいろな思い出を残してくれる。忘れられないウエディングがある。披露宴終了後に、自分も含めスタッフに花束を贈ってくれたカップルがいた。そして「岸田さんがいたからここで式を挙げることを決めた」。苦労が報われる瞬間だった。ウエディングは、衣装、飲食、カメラ、音楽などそれぞれの担当するプロのスタッフが一堂に会して行うイベントだ。ウエディングプランナーはそんな人たちを束ねる“監督”のような存在だ。いろいろな人と関わり、その人たちが行事の成功のために動いてくれる。昔恥ずかしがり屋のプランナーはそんなことに幸せを感じている。
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岸田 健志(きしだ・たけし):
1997年盛岡市生まれ。青森公立大学卒業後、ブライダルの仕事がしたいと株式会社岩手ホテルアンドリゾートに。レストランサービスを経て2021年2月、ウエディング営業に。コロナ禍の影響で2021年11月、安比高原のホテルフロントに異動。2022年4月にウエディング営業部に戻った。

株式会社岩手ホテルアンドリゾート:
同社は八幡平市の安比高原と盛岡市の2つのエリアを拠点に複数のホテル、リゾート施設を運営している。安比ではスキー場、ゴルフ場が柱。盛岡のシティホテルは県内外のVIPをお迎えする施設として誕生。ご婚礼、ご宴会事業を柱に営業している。

\岸田さんの言葉を聞いた、参加者のコメント/

・サービス業の接客、心得などお仕事のお話から伝わりました。岸田さんの人間力、笑顔、お話の仕方が素晴らしく、大変参考になりました。
・自分から話をするのが苦手でも、どんどん話ができるようにやってみることが大事だと思った。私も仕事探しの幅をひろげて挑戦したいと思います!
・接客業ということで、どういった対応をしているかやどのような志を持って、お客様と接しているかが分かりました。「第一印象が大事」や「意見を受け止め過ぎない」は、接客業以外にもあてはまることだと感じ、とても勉強になりました。


「しごとトークカフェ」は2010(平成22)年度にスタート。岸田さんは148人目のゲストでした。