SYU-KATSU SPICES就活に役立つ話題集

シゴトビトの言葉学

[第30講] 株式会社アンドファーム いきいき農場 取締役販売部長 三浦 大樹のコトバ

毎月1回開催の「しごとトークカフェ」。そこで社会人のゲストが語る、働き方、暮らし方、生き方とは?岩手で働く社会人たちからのメッセージを「シゴトビトの言葉学」として紹介します。30-title

農場の価値は農産物という商品を提供するだけではない。周りと関係することで価値が上がる。子どもが来るとキャベツ畑は学習の場にも情操教育の場にもなり、老人が来れば癒やしの場ともなる。物を売るという一方通行ではなく、双方向での交流が大事だ。「○○アンドファーム」にはそんな意味を込めた。

心身ともに豊かで健やかに

農繁期、休みは週1。農閑期には有給休暇100%取得を目標に、自分も従業員も長期休暇でリフレッシュしている。IOTを利用したスマート農業の加速に加え、物を探したり作業をやり直したりするなどの無駄な時間を減らし生産性を上げ、6日間でやっていたことを5日でやり繁忙期でも週休2日にしたい。経営理念は「お客さま、地域そして従業員と家族が心身ともに豊かで健やかな生活を実現すること」。従業員の子どもに「お父さんがアンドファームで働いていて良かった」と言われるような企業が理想だ。給与が高くても朝から晩まで働き、帰って寝るだけではだめ。家族との時間や趣味も大切に。その土台に農場があればいい。

安全と食味と価格のバランス

やっているのは有機・無農薬ではない。カツオの内臓や牛糞など有機質肥料を土に与え、いい微生物を増やすことで作物が病害虫の抵抗性を強め結果的に農薬を減らす。有機質肥料は作物の味にも影響し、手ごろな値段ながら安全でおいしい野菜を提供する。関東・関西のスーパーマーケットが主な出荷先で、事前に数量、価格を決める契約栽培をしている。生産者は数量確保に全力を尽くし、スーパーは販売に努力する。

遠回りして農業に回帰

高校を卒業し、岩手を出たいと仙台市の専門学校に。目的なく入った同校を中退し、盛岡市のライブハウスで働いた。給与も減り、一時実家で農業を手伝ったもののまだまだ遊びたいと再び盛岡に。温泉ホテルの調理場で働き、そこで出会った料理長が尊敬できる人だった。野菜も含め食材を大切にする料理長は「人生でやるべきことがあるはず」とアドバイス。それが農業と真正面から向き合うきっかけになった。「自分という会社の経営者は自分しかいない」。求職者に贈る言葉だ。
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株式会社アンドファーム:
1973(昭和48)年、野菜の共同出荷組織として始まったいきいき農場。すべてのメンバーがエコファーマーの認定を取得。2016年に(株)アンドファームを設立した。約80㌶を耕作し、キャベツ・レタス・大根などの野菜生産・1次加工、黒ニンニクの製造などをしている。

三浦 大樹(みうら・だいき):
岩手町出身、盛岡市立高校を卒業し、仙台市の介護専門学校を中退。2009年にUターンし、2016年から株式会社アンドファーム取締役販売部長。

\三浦さんの言葉を聞いた、参加者のコメント/

・会社組織で農業を営む方のお話を伺えてとても有意義でした。農業の将来まで見据えたビジョンや合理的な考え方など「どういった考えをもって取り組んでいるか」がはっきりとしていて、説得力や実感のこもったお話で非常に興味深かったです。

・農業を経営の視点から知ることができて大変おもしろかった。ありがとうございました。

・農業について、経営について参考になりました。お話を聞いて自分のなかで農業のイメージが変わりました。

 


「しごとトークカフェ」は2010(平成22)年度にスタート。三浦さんは125人目のゲストでした。
過去の様子はジョブカフェいわての施設内に常設のDVDで閲覧できます。