シゴトビトの言葉学
[第23講] 盛岡ガス株式会社営業部お客さまサービス課 塩脇順平のコトバ
毎月1回開催の「しごとトークカフェ」。そこで社会人のゲストが語る、働き方、暮らし方、生き方とは?岩手で働く社会人たちからのメッセージを「シゴトビトの言葉学」として紹介します。
岩手大大学院1年のとき就職活動を始めた。東日本大震災の経験からインフラの大切さに気づき、電気・ガスなどインフラ系に加え運輸や製造業など10社前後を受けた。先輩が働いていた盛岡ガスもその一つ。決めた理由は「こんな人がいる会社で働いてみたい」。同社の人事担当者は、自分一人のために会社説明会を開いてくれるなど、親身になりどんなことにも対応してくれた。「会社自体の魅力もあったが、最後の決め手はその方。入社後もその人は尊敬できる上司だ」
アフターファイブも充実
年間休日は120日を超える。その上、年次有給休暇の取得が奨励されている。残業時間は月平均で7時間、ほぼ定時に退社する。夕食を食べて少しゆっくりしてそれから趣味のテニスもできる。ライフワークバランスが取れているせいか、人間関係も良好で、笑い声が絶えない職場だ。ここ5年間の離職率は0%。「仕事は何十年もやるもの。同じ言葉でも尊敬する人から言われるのと、そうでない人から言われるのでは違う。何をしたいかだったり、学んだことを生かしたいだったり。そんな理由ではなく職場を選んでもいいのでは」
ジョブローテーション
ここ15年ほど新卒を採用しなかった。再開したのは4、5年前のこと。ベテランと若い人との間にギャップがある。先輩たちの指導は「久しぶりの新人で慣れていないという自覚があるせいか丁寧過ぎるぐらい」で、本当に人材育成に力を入れてくれている。新入社員は製造1年、供給2年、営業2年のサイクルでジョブローテーションをするのが基本。「今営業にいるが、他部署を経験していると、担当が誰か分かるし、誰に聞けば何が分かるかを知っているので仕事を進めるのに大変役立っている」
都市ガスの自由化が追い風
盛岡ガスの場合、利用者が右肩上がりで増えているのではなく、一軒当たりの使用量を増やす形を目指している。2017年4月から始まったガスの小売り自由化で都市ガスには業者が自由に参入できるようになった。ガス料金の透明化にもつながり、アパートなどでは都市ガス利用者も増えつつある。矢巾町の岩手医大にも供給しており、盛岡ガスの未来は明るい。
盛岡ガス株式会社:
1930(昭和5)年設立。盛岡市、滝沢市、矢巾町での都市ガス事業を中心に、住宅などのリフォーム、太陽光発電システムの販売などをしている。
塩脇 順平(しおわき・じゅんぺい):
北上市出身、26歳。岩手大学大学院工学研究科修士課程を修了し、2016年に盛岡ガス株式会社入社。お客さまサービス課で、ガス器具の点検や整備、修理をして地域に密着した営業活動をしている。
\塩脇さんの言葉を聞いた、参加者のコメント/
・仕事を決める上で必要なことは、スキルを活かすことなどだけでなく、誰と一緒に仕事をしたいか。会社で働く人の人間性で決めることも1つだと学びました。今後の就活に活かしていきます。
・誰と働くかで選ぶ就職の仕方が新鮮でした。休暇の多さや残業の少なさなど福利厚生の良さがうらやましいと感じました。
・どんな業務をしているのか分かり参考になりました。楽しそうにお話をしている表情から、社内の様子が伝わってきました。
「しごとトークカフェ」は2010(平成22)年度にスタート。塩脇さんは116人目のゲストでした。
過去の様子はジョブカフェいわての施設内に常設のDVDで閲覧できます。