シゴトビトの言葉学
[第21講] 岩手県立大学事務局総務室人事給与グループ 曽部 香織のコトバ
毎月1回開催の「しごとトークカフェ」。そこで社会人のゲストが語る、働き方、暮らし方、生き方とは?岩手で働く社会人たちからのメッセージを「シゴトビトの言葉学」として紹介します。
小学校で出会った教育実習生の生き生きした姿に憧れ、大学は教育学部を選んだ。大学で教育実習を経験し、楽しんでやれたが、教師を職業として考えると二の足を踏む。4年の秋から始めた就活は漠然と「事務職」志望で。金融機関や保険会社などいろいろ受け、結局消費者信用生協に。数年後、支店出店などで仕事が忙しい時期などが続き、体調を崩す。「ここは人生の休憩を」と、すっぱり辞めた。回復後、ハローワークで見つけたのが期限付臨時職員の仕事。岩手県の機関で通算4、5年勤め岩手県立大の任期付職員に。
人と人とをつなぐ仕事
同大総合政策学部の学部事務職員からスタートし、2014(平成26)年に無期雇用の正職員になった。「大学事務職員は準公務員として見られることも多いが、実際には学生、保護者、教員、地域の人々と接する人と人をつなぐ仕事で、民間のような臨機応変な対応が求められる」と話す。仕事のやりがいの一つは学生の成長が実感できること。「県大の学生はみな素晴らしい。1年生のときは自信のないように見えた学生が卒業する時点で大きく成長している姿に感動する。学生が日々頑張っている姿にこちらも刺激を受ける」という。
教員との協働は面白い
県大には4学部と2短期大学部、大学院があり、それぞれの分野で一つのことを追究している教員がいる。そんな先生方と入試問題作りのお手伝いや教授会の運営の補助など仕事を一緒にする機会も多く、研究の話しなどを聞くのは大変面白い。県大事務局には教育支援、企画、学生支援など6室と宮古事務局がある。約8割が女性で、3~5年ほどで異動があり、ジョブローテーションのような形で仕事の幅を広げていく。大学職員を希望するなら「自分のどんなところを生かせるのかイメージを持って来てほしい」と就活中の学生らにアドバイスする。
岩手県立大学:
(滝沢市巣子)は1998(平成10)年開学。看護、社会福祉、ソフトウエア情報、総合政策の4学部に、大学院の4研究科を持つ。ほかに盛岡と宮古に短期大学部がある。
曽部 香織(そべ・かおり):
盛岡二高、岩手大学教育学部卒。岩手県消費者信用生活共同組合に入り、任期付県職員から岩手県立大に。総合政策学部の学部事務、盛岡短期大学部、社会福祉学部で学部運営担当事務を経験し、2017(平成29)年4月から総務室。18年4月から教育支援室入試担当に。
\曽部さんの言葉を聞いた、参加者のコメント/
・とても興味深いお話でした。御苦労を重ねられた経緯があり、そのうえで現職にやりがいと楽しさを感じていらっしゃるお姿が凛々しかったです。
・大学の職員の方の仕事内容を詳しく知ることができたとともに、ご自身の今まで、これからを素直な表現で伝えてくださり私自身にとって大変ためになりました。
・私も4月からは働く社会人になりますが、あらためて責任感などを意識する良い機会になりました。
「しごとトークカフェ」は2010(平成22)年度にスタート。曽部さんは117人目のゲストでした。
過去の様子はジョブカフェいわての施設内に常設のDVDで閲覧できます。