シゴトビトの言葉学
[第16講] 株式会社川徳営業四部子供服用品・キューブⅡ課家具・マガサン担当係長 松村陽子のコトバ
毎月1回開催の「しごとトークカフェ」。そこで社会人のゲストが語る、働き方、暮らし方、生き方とは?岩手で働く社会人たちからのメッセージを「シゴトビトの言葉学」として紹介します。
6帖2間の村営住宅で育った高校生は、スクリーンに映し出される素敵な家具やカーテンある家の暮らしに強い憧れを持った。毎日通学する高校の近くには県内唯一の老舗デパート川徳があり、そんな夢の暮らしを店内に並べていた。就職活動では同校だけで20人の生徒が川徳を希望し、校内選考で4人が受験し、2人が合格した。その1人となり、入社後第一希望だった家具インテリア売り場に配属された。それからデパート一筋。「私が死んだら『あの人は仕事が好きな人だった』と言われたい。仕事は人生の一部で、私の人生の軌跡のような感覚」
産休中も勉強を続ける
二十歳を前に妊娠。「新入社員なのに」と上司から叱責されるなか産休に。負けず嫌いの性格で、出産後は「販売心理学」「ポップ入門」を通信教育で学び、復帰に備えた。9月に出産、12月には仕事を再開した。学ぶ姿勢はその後も変わらず、家具・インテリア売り場に長く勤めようと必要な資格を取得した。百貨店は普通3~5年で、毎年職場を変わる社員もいるなか松村はアクセサリー売り場から現職に異動し20年たった。
資格には高い意識が必要
「センスがなかったので、提案力や説得力をつけるため30歳過ぎから勉強を始めた」とインテリアコーディネーター取得の動機を語る。独学で5年かかり合格した。思考と空間の片づけ・収納のプロ「ライフオーガナイザー」資格も仕事のため。素敵な家具を目の前に買うことをためらうお客さんに整理術をアドバイスする。「資格は取るだけではだめ。何を得て、どう自分を向上させるかという意識が重要」
仕事選びは二種類ある
二人の娘がいるが対照的という。長女は助産師を目指し大学に。仕事は収入を得るためで家庭を持ちながら宝塚の観劇など趣味を重視している。次女はたまたま入った短期大学校で建築を学び、入社後建築士の資格を取った。こちらは仕事にやりがいを見つけ頑張っている。「どっちがいい悪いではない、自分はどんな生き方をしたいのか考えてほしい」
松村 陽子(まつむら・ようこ)氏プロフィール:
八幡平市生まれ、岩手女子高卒。1989年川徳入社。家具・インテリア、香水・アクセサリー売場などを経験。現在はキューブⅡマガザン(家具インテリア、雑貨の売場)に勤務。インテリアコーディネーター、販売士、ライフオーガナイザー
\松村さんの言葉を聞いた、参加者のコメント/
・前職で自分が疑問に思っていたこと、違うのではないかと感じていたことが、今回お話を聞いて共感することがありました。自分の中で自信になりました。
・仕事自体にやりがいを感じるタイプか、プライベートのために手段として仕事をするタイプかという話はすごく分かりやすかったです。私は前者だと思うので、今回の話はすごく勉強になりました。何のために資格を取り活かしていくか考える良い時間になりました。
・仕事との向き合い方やこれまでの経歴を聞くことができて、自分の仕事に対するスタンスを考えてみようと思えたので良かったです。
「しごとトークカフェ」は2010(平成22)年度にスタート。松村さんは111人目のゲストでした。
過去の様子はジョブカフェいわての施設内に常設のDVDで閲覧できます。