SYU-KATSU SPICES就活に役立つ話題集

シゴトビトの言葉学

[第13講] 株式会社パイロットフィッシュ 五日市知香のコトバ

毎月1回開催の「しごとトークカフェ」。そこで社会人のゲストが語る、働き方、暮らし方、生き方とは?岩手で働く社会人たちからのメッセージを「シゴトビトの言葉学」として紹介します。

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海と山の産物をコラボした新商品。その宣伝のため取材を受ける生産者の黒いスーツ姿に思わず強い言葉が出た。「何着てきたの」。生産者は前日、おしゃれに決めて新聞に出ようとスーツを購入していた。「生産者も商品の一部」と考えている五日市から見ると「それはまるで喪服みたい」となってしまう。どうしたら気に入ってもらえるのか。どんな見せ方がいいのか。どうしたら受け入れてもらえるのか。そんなことを常に意識しているからこそ出てくる言葉だ。

人見知りで話すのが苦手

人が集まるところが嫌いで、お祭りにも出かけないそんな子どもだった。実家は理容店。そこで生まれた双子姉妹の長女で、床屋を継ぐのが既定路線。高校を出て東京の理容専門学校に。卒業時に「自分には向かない」とやめる宣言をするつもりだったが、突然父親が亡くなる。言い出せずに5年間東京で修業を続け、盛岡に帰り家業を継ぐ。「このまま好きでないことを続けていいのか」。自問の末、自分の気持ちに向き合い半年後行動を起こした

転職、そして起業

たまたま見つけたのがフリーペーパーの営業の仕事。「面白そう」と応募した。自分で企画を考え「予算をばっと取ってくる」。この業界、そして営業が向いているとばりばり仕事をこなした。その後盛岡市の印刷会社から仙台市の広告代理店に。当時女性の営業は珍しい上、仕事は仕事と割り切り「飲みに行かない」営業ウーマンとして有名だった。

自分の価値を考えよう

「岩手のために役に立ちたい」と印刷会社に復帰し、農業と関わる。農家の苦労を聞きながら、収入アップのため農産物を商品として消費者に届けるまでをトータルにコーディネートする人がいればいいのにと思った。「誰かやればいいのに」。それが「自分ならできるかも?!」と起業した。「いろいろ経験してきてよかった」と数回の転職で実力と自信を身につけた。1年1年目標を立て、それを実現していく頑張り屋さん。「自分のユニークなところ、価値を考えることが大事」。求職者へのアドバイスだ。

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株式会社パイロットフィッシュ:
2009年設立。盛岡市大沢川原3丁目2-5、熊ヶ井旅館内。業務内容は新商品開発、商品企画・商品化計画、商品ネーミング・パッケージデザイン、商品ストーリー企画、商品マーケティング、既存商品の改良。

五日市 知香(いつかいち・ちか)氏プロフィール:
1966年盛岡市生まれ、岩手女子高卒。フリーペーパーの営業・編集、広告代理店、印刷会社の営業を経験。商品開発コーディネーターとして新商品の企画、パッケージデザイン、ネーミング、販路開拓などを行なう。農林水産省の食農連携コーディネーター、岩手大学客員教授。

\五日市さんの言葉を聞いた、参加者のコメント/

・目標を決める覚悟、その目標のためにひたむきに努力する。かっこいい女性だなと思いました。

・自分のやりたい仕事を楽しんでしているところがいいと思った。仕事でいろいろな経験をすることは大切だと思った。

・自分の目標を達成するために何をすべきかを分かっているのが本当にすごいと思いました。私は目標があっても進むときその方法をゆらゆらと変えてしまうことが多いです。



 

「しごとトークカフェ」は2010(平成22)年度にスタート。五日市さんは106人目のゲストでした。
過去の様子はジョブカフェいわての施設内に常設のDVDで閲覧できます。