SYU-KATSU SPICES就活に役立つ話題集

シゴトビトの言葉学

[第7講]曹洞宗稲荷山(とうかさん)喜雲寺副住職 佐々木秀吾のコトバ

毎月1回開催の「しごとトークカフェ」。そこで社会人のゲストが語る、働き方、暮らし方、生き方とは?岩手で働く社会人たちからのメッセージを「シゴトビトの言葉学」として紹介します。

07-title-2こんなお坊さんが増えたら、仏教やお寺に対する無理解や偏見が減り「葬式仏教」などと揶揄されることもなくなるだろう。朝座禅に僧侶バー、インターネットで宗教番組配信と外向きの活動を続ける。本人は「布教のため」というが、東京・ビッグサイトで開催された「エンディング産業展」を自らレポートする姿は、ただの出たがりにも見えなくもない。そんな親しみやすさが“発信する住職”の魅力の一つだ。

何かあるから2,500年続いている

横浜市で生まれ育つ。盛岡市下田の喜雲寺住職だった祖父が亡くなり、僧籍を持っていた父親が跡を継ぐため実家に戻った。教師だった母親と横浜に残り、駒沢大仏教学部に進学。お坊さんになった理由は二つ。2,500年も続く仏教には何か魅力があるはず。それは、この世の4種の苦悩「生老病死」に向き合うこと。努力して変えられることと変えられないことがあること。そんな絶対的なビジョンがあるから。もう一つ。「自分が楽しむのは簡単だが、他人を楽しませるのは難しい」。相手の期待に応えるだけでなく、本人が気づいていないような楽しみや幸せに気づかせる。お坊さんはそれができ、そんな時に喜びや幸せを感じる。

お寺や仏教をもっと身近に

これからのお寺、仏教は「選ばれる時代、選ぶ時代」を迎える。日本に僧侶は30万人、いろいろな人がいる。自分に合う僧侶を選んで、そしてもっとお寺を利用してほしい。お寺はハードウエアとしては素晴らしい装置。使い方次第でいろいろなイベントもできる。お寺も仏教もお役に立つことができるはず。それを見つけてもらいたい。毎日の暮らしの中で仏教がより身近になるよう活動を続けたい。

雇用するということは投資すること

僧侶のやることは、ビジネスとは違う。求職者の方はビジネスとして就職を目指している。ならば、自分がああしたい、こうしたいというのも大事だが、雇う側の視点も考えてもらいたい。雇用することはあなたに投資するということ。あなたは投資に見合う利益を出せるのか。そんなことが問われている。

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曹洞宗稲荷山喜雲寺:
江戸時代前期(1661~1673年)、下田城主の下田弥三郎秀祐を開基に、報恩寺(盛岡市)10世・天山宝尭和尚が開山。平成15年5月、新本堂が完成した。庫裡には洋室、厨房、ホールなどを備えた「檀信徒会館」がある。
佐々木秀吾(ささき・しゅうご)氏プロフィール:
1980年生まれ。横浜市出身。駒澤大学仏教学部卒。大本山總持寺安居(修行僧)を経て、喜雲寺副住職に。

\佐々木さんの言葉を聞いた、参加者のコメント/

・葬式以外でお坊さんのお話をお聞きするのは初めてで、非常に興味深いお話を聞かせていただきました。外部へ発信するなどアクションをなされる方で、お坊さんとお寺に対する考えが変わりました。

・住職さんの視点から生きること、働くことについてお話を聞くことができて、とても貴重な体験となりました。

・お寺の仕事はとても堅苦しいイメージがありました。けれど今回お話を聞いて堅苦しくなく、いろいろできて人を喜ばせるところだったんだなぁと思いました。


 

「しごとトークカフェ」は2010(平成22)年度にスタート。佐々木さんは100人目のゲストでした。
過去の様子はジョブカフェいわての施設内に常設のDVDで閲覧できます。