人事のメセン
[第18のメセン]新入社員研修より「新入社員に求めること」
この春、入社する新入社員のためにいろいろ準備をしている人事部。今日は、新入社員研修について何やら話をしているようです。
佐井部長:
この春に入社する新入社員向けの研修プログラム企画をお願いしていたが前回実施した分の資料には目を通したかな?
陣:
はい。前回は「1.当社社員としての意識づけ」「2.市場動向・商品理解」「3.若手社員との交流」の大きく3つで実施していますね。この3点目の「若手社員との交流」については、なぜ実施したのでしょうか?
佐井部長:
「1」と「2」は毎年実施しているのだが、「3」については入社数年目の社員やその年の新入社員の様子を考慮して内容を変えているのだよ。
陣:
そうでしたか。今回はどうしたらよいかと悩んでいました。
佐井部長:
将来活躍する人材を長期スパンで育てていきたいと当社では考えて、入社後数年間は転勤や部署異動をして経験を積んでもらうシステムにしていてね。
しかし、一昨年は入社1年目で「やりたい仕事ができない」と言って辞めた方がいたのだ。そういった早期離職を防ぎたいと考えて、困ったら気軽に相談できる関係を作れるようにと昨年はプログラムを組んだのだよ。
陣:
そうでしたか。今年度採用活動に加わってみて、「自分で考え行動する力」をつけていきたいとは感じていました。エントリーシートでも面接でもやってきたことを自信を持って話す方は多いですが、その行動に自分なりの意思があったかと聞かれると、そうでもないですからね。言われたからやるとかそういう感覚の方が多かったように感じていました。
佐井部長:
なるほど。与えられた業務だけではなく、自分の意思で主体的に仕事を工夫して取り組み、行動できる力を付けることを目的にした研修プログラムにしてみようか。
陣:
実は私も入社して人事を担当することになるとは思ってもいませんでした。でも、人事を担当してからは、将来この会社で活躍できる社員を育てたいという新しい目標もできたので、前向きに仕事ができています!
佐井部長:
そういうふうに様々な部署での経験から主体的に学び、将来に活かすことができれば、目標を失わずに継続して働いてくれるだろうね…。
陣:
事前に調べていたのですが、新入社員向け研修でそのようなプログラムを提供している企業がありましたので、早速問い合わせてみます。
佐井部長:
よろしく頼むよ。
ふむふむ・・・。
日本能率協会『2013年度新入社員「会社や社会に対する意識調査」』によると、指導法や接し方に関して、新入社員が上司に(上司・先輩が新入社員に)期待することとして、次のような調査結果があります。
●仕事について事細かに教えてくれる
新入社員が上司に期待(31.7%)/上司が新入社員に期待(6.2%)
●自分で考えるように仕向ける
新入社員が上司に期待(14.6%)/上司が新入社員に期待(70.7%)
調査結果によるとこの2点について、新入社員と上司の意識に差があるようです。
新入社員に期待するだけでなく、選考の場面でも【自分で考え行動する力があるか】を重視している可能性もあります。
【どういう考えで、何を行動したか】について、これから企業に応募する方は振り返り、若手の社員の方はこの点を意識して仕事を進めてみましょう(^-^)/
(^-^)ノ”See you next !!