SYU-KATSU SPICES就活に役立つ話題集

シゴトビトの言葉学

[第1講] さわや書店「文庫X」の仕掛人・長江貴士のコトバ

毎月1回開催の「しごとトークカフェ」。そこで社会人のゲストが語る、働き方、暮らし方、生き方とは?岩手で働く社会人たちからのメッセージを「シゴトビトの言葉学」として紹介します。

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長江貴士はただ者ではなかった。
盛岡市のさわや書店フェザン店に勤務する長江は、全国的にヒットした「文庫X」の仕掛け人だ。「申し訳ありません。僕はこの本をどう勧めたらいいか分かりませんでした」と書いた帯で本全体を覆い、中身を隠して売り出した。
「わたしにとっては何も変なことではなかったのです。でも常識人はそんなことはやらない」

就活は無理

静岡県富士市生まれ。学業成績は優秀で、地元の進学校から慶応大理工学部へ。しかし、中学のころから「自分は社会に出られない」との思いがあった。就活が本格化する大学3年への進級を前に不登校に。そのまま大学は中退。たまたま通学路にあった本屋でアルバイト募集の貼り紙を見つけ、それが今の仕事につながる。

当たり前は多数派のルール

本を読み、感想文を書いて「考える力」を養ってきた。「みんなが当たり前と思っていることにうまくなじめなかった。その違和感を言語化することで、自分がどんな常識の中で暮らしているかが分かる」当たり前とは、多数派のルール。参加者へのメッセージは「常識への違和感を意識し、生きてほしい」

頑張ると輪郭が見える

「街場のメディア論」で内田樹は「就職は結婚。みなぴったりとした相手を探そうとしているが、結婚はしてみるもの」と書いている。「働いてみないと自分に向いているのかどうか分からない。働き始めて直ぐに『これは違うな』と思っても、頑張ってみるとできることできないことなど自分の輪郭が見えてくる。『やってみたらできた』だってある」。長江の求職者へのメッセージだ。

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さわや書店:
盛岡市の老舗、さわや書店は1946(昭和21)年に創業し、昨年70周年を迎えた。大通・本店のほか、県内と青森県に9店舗を展開。雑貨店、学習塾も運営している。店員が手書きで作ったPOPなど書籍販売のための仕掛けは全国からも注目されている。

長江貴士氏プロフィール:
1983年静岡県生まれ。大学中退後、コンビニやファミレスでのアルバイトを経験。その後「好きな本を仕事にしたい」という思いから書店員に。神奈川県内の書店で勤務ののち、株式会社さわや書店に入社。

 

\長江さんの言葉を聞いた、参加者のコメント/

  • 「自分も世間一般の常識から外れた生き方をしていると感じることがある。長江さんの話しを聞いて、それはそれで大切にしたいと思った」(求職中30歳男性)
  • 「とてもクリエイティブで面白かったです!『共感できないものこそが、自分の力になる』。とてもいい講演でした」(求職中29歳女性)
  • 「本屋には自分の関心のないものがたくさんある。共感できないものをいかに日常に取り込むか。それによって自分を広げることができると思いました」(求職中34歳男性)

 


「しごとトークカフェ」は2010(平成22)年度にスタート。長江さんは94人目のゲストでした。
過去の様子はジョブカフェいわての施設内に常設のDVDで閲覧できます。

しごとトークカフェの実施予定は、イベント情報のページから!